【牧之原市坂部】元気いっぱいな地元小学生との協働活動

美しく品格のある邑に選ばれている、牧之原市の北東部に位置する坂部区(牧之原市)。自然が豊富で、お茶やお米、レタスやみかんなどさまざまな農作物が栽培されています。

坂部で活動をしている「榛原里やまの会」では、坂部小学校の授業支援活動として、田植えや稲刈り体験を行っています。今回、5年生が今年6月に田植えを行った田んぼで稲刈り体験を行うということで伺ってきました。


カマを使って稲刈り


コンバインから飛び出してくる稲わらを直接キャッチしてせっせと運びます

まず子どもたちはカマを使って稲刈りの体験。今やカマを使う機会はほとんどないですが、クラスのみんなで田んぼの一角・10平米ほどの大きさを15分近くかけて刈り取っていました。しかし、このまま続けても400平米の田んぼを全部刈るには日が暮れるどころか、何日もかかってしまいます。そこで、文明の利器・コンバインの登場! 先程子どもたちが15分かけて一生懸命刈った面積はコンバインを使えば数十秒。乗車体験もさせてもらい、ザクザクと刈って行く様子を上から見学しました。

 
「榛原里やまの会」の方々


なかなか見る機会のないコンバインを間近で見学

コンバインが稲を刈り取り、脱穀し、束ねた稲わらが後方からポンッと飛び出してくるので、子どもたちはそれを拾って運ぶ作業。何度も何度も往復して稲わらを拾って積み上げたら、最後は脱穀した米がコンバインから袋に入っていく様子を見学し、田んぼでの作業は終了。収穫量はもみ付きの状態で600kgほどあるのではないかということでした。


脱穀した米が吐出口から袋の中に勢いよく入っていきます


手でもみ殻をむいています。手でむくのは大変

このあと、昔の農機具を保管してある倉庫に移動。倉庫の中には、千歯(せんば)、唐箕(とうみ)、万石(まんごく)などなど、昔の米作りで使われていた道具が多数置かれていました。
子ども達は「足踏み脱穀機」を使って脱穀体験。先程はコンバインが一瞬で脱穀しましたが、足踏み脱穀機はペダルを踏んで円筒形のこぎ胴を回転させ、稲の束を押し付けて穂を落とすという仕組み。回転する方向のコントロールが難しかったり、稲の束が多すぎると引っかかって止まってしまったりと四苦八苦していたようでしたが、会のみなさんの協力のもと無事予定していた稲の脱穀をし終えました。

 
足踏み脱穀機を使って脱穀している様子

収穫されたお米は、学校で食べたり、牧之原市の小学生が考案した地域食材を使った料理の出来栄えを競う「アースランチフェスティバル」で使用します。同時に作っていた餅米は餅つきをして全校児童でいただくそう。


昔の米作りで使われていた農機具。写真左は米の選別に使った万石、写真右は稲をこぐのに使った足踏み脱穀機

「榛原里やまの会」会員は約70名。中には90歳の方もいて、この日は子どもたちに足踏み脱穀機の使い方を教えていました。理事長の杉本 正さんは「子どもたちとの活動は元気がもらえるから、会のメンバーはみんな楽しんでやっているんですよ」とおっしゃっていました。


お米作りの大変さに気づき、足踏み脱穀機から飛び散ったお米を丁寧に集める子どもたち
右から左に読む文字は新鮮!右の写真は、
「ドンモヤイダと読むのではないんですよ」と担任の先生が説明中

榛原里やまの会では、坂部小学校での田植えや稲刈り体験、生き物観察会など環境の学習会の他に、赤坂池・千頭ヶ谷ビオトープ環境整備、ホタル観賞会、しいたけ作り、地域の歴史探訪や、静岡空港に隣接された石雲院展望デッキでの採れたて野菜の販売(土日限定営業、現在はコロナウイルス感染症対策により休業中)、竹林の整備や正月飾り作りなどさまざまな活動を行っています。「ホタルを鑑賞しに外の人が来てくれるのは、地域に活気が溢れて嬉しいことです」と杉本さん。地域のさらなる発展を願い、活動に取り組んでいます。