【藤枝市】ポラーノ農園 田園風景を次世代につなげる米作り
藤枝市瀬戸谷の里山で小さな農園を営む「ポラーノ農園」さん。
農薬や化学肥料を使わず昔ながらの田園風景を守りながらお米作りと、薬剤を使用しない平飼い自然卵養鶏にも取り組んでいます。
今年は藤枝市で取り組んでいるオーガニック給食に使用される有機栽培米も栽培してくださっています。
お米を作り続けること、田んぼを耕すことで地域の景観を維持し、美しい田舎風景を次世代へとつなげていてくれています。
ポラーノ農園さんのSNSより↓↓
===================================================
【通学路の風景】
早生のコシヒカリともち米に続いて、中生のキヌムスメも出穂して花を咲かせた。
藤枝市から要請を受けて、今年の収穫から学校給食にキヌムスメを提供することになった。といっても、わずか1tばかりなのだけど。
田植えから分げつ期、出穂・開花期、登熟期と、成長していく稲の姿を見て、給食のテーブルに並ぶのを楽しみにして欲しいと思った(実際子ども達は何も気にしてないけど、笑)。
実はこの田んぼは、5年前に独立就農した際に耕作放棄田を再生した田んぼだ。それまでは人の背丈よりも高い草に覆われ荒れ果てていた。実績もない新規就農者が借りられる田んぼは耕作放棄田くらいしかなかったので、あちこちの田んぼを再生した。草を刈り、乾燥させて野焼きして、灰を土にすき込んだ。機械も資金もなかった頃、農業1本で生きていくんだという強い意思だけはあった。今でもこの田んぼで作業する時には、いつも不安に駆られながらガムシャラだったあの頃を思い出す。
僕は、荒れ果てた田んぼを見て育つ子どもと、きちんと手入れされた田んぼを見て育つ子どもでは、育まれる感性がまるで違うだろうと思う。
田んぼを引き継いで欲しいと頼まれるようになってからも、子ども達の通学路沿いにある田んぼだけは荒らしたくないと思い、耕作条件が悪い田んぼも引き受けてきた。
百姓は農作物だけでなく、風景も作っている。いつか子ども達が通学路の風景を懐かしく思い出す時、その傍らには豊かに稔った稲穂が揺れていますように。
Facebookはこちら⇊