【浜松市北区】「久留女木の棚田」について取材しました!
こんにちは!むらサポサポーター@西部です。今回は井伊の隠し里・竜宮小僧伝説発祥の地である浜松市北区引佐町「久留女木の棚田」について、久留女木里山の会および久留女木竜宮小僧の会の会長 西本有一さんに活動内容についてお話を伺いました。
外部の人と地域との関係づくりで棚田とその地域を保全
久留女木里山の会の前身である久留女木棚田の会を発足したのが、1994年。その後1999年に日本の棚田百選及び静岡棚田等十選に選定され、2015年には久留女木棚田の会と外部耕作者の橋渡し役として「久留女木 竜宮小僧の会」が発足しました。外部の人が棚田に入ってくるようになると、不安になる地元の方もいたため、地域のルールを作り、棚田の管理にも力を入れました。その後2017年NHK大河ドラマ「おんな城主直虎」の舞台として脚光を浴び、竜宮小僧サポーター制度を開始。2022年「久留女木地域振興協議会」を設立(事務局:久留女木里親の会・竜宮小僧の会)現在では体制を強化させながら、環境の整備、企業との連携などに取り組み、棚田とともに豊かに暮らせる持続可能な地域の姿を追求しています。
邑の宝・自慢①:久留女木の棚田。静岡県を代表する農村景観の1つ。耕作されることで、その美しい景観が維持されています。
邑の宝・自慢②:多種多様な生き物がいる環境。棚田を含む農村環境は、沢山の生き物が生息しています。棚田のいたるところで舞うホタルの姿は、毎年多くの人を魅了しています。また、竜宮小僧伝説にもある水田を潤す湧水は、今も貴重な水源として大切に使用されています。(写真:浜松市より発行した冊子)
邑の宝・自慢③:地域社会コミュニティ。竜宮小僧の会として、久留女木棚田塾を主催し、外部耕作者を育成する取り組みをしています。※棚田塾は1年を通して稲作を学ぶ仕組みです。全国的にも珍しい取り組みかと思います。(写真:棚田塾生たちとの脱穀作業・稲刈り体験会)
また、竜宮小僧サポーター制度があり、こちらは遠隔地にお住いの方や、棚田に通うのは難しいけれど、久留女木の棚田の維持保全に協力したいという方がサポーターとして登録してくれています。
邑の宝・自慢④:久留女木の棚田ファン増加。一社一村しずおか運動や㈱はまぞうのSNS、ブログでの情報発信。星のソムリエによる星空観察会など、ファンや仲間が増えた結果、地元住民が気付かなかった魅力を発見することもあります。(写真:星空観察会・一社一村しずおか運動 不二総合コンサルタント様)
邑の宝・自慢⑤:収穫祭の開催。2022年で7回目。収穫祭当初は、地元農家さん、地域住民、外部耕作者、棚田の支援者(サポーターさんなど)の交流の場として開催しました。徐々に規模を拡大してコロナ前は一般の方も含め200人ほどが集う会となりました。ここ2~3年はコロナ感染対策もあり、一般の方からの参加者は控えていただき、100人ほどで開催しています。各団体の取り組みのPRの場ともなっています。(写真:昨年の収穫祭での大根抜き体験・収穫祭でのサポーターさんへの返礼品授与式)
邑の宝・自慢⑤:美味しいお米づくり。竜宮小僧の会(外部耕作者)、地元農家さんの一部も加わって「おいしいお米づくり研究会」を行っています。食味分析計で80点以上の良食味米を目指し、土壌分析に基づいた肥料設計を行い、稲を健康に育てる勉強や、農協の営農アドバイザーを招いた学習会を行うなど、生産に力をいれています。
邑の宝・自慢⑦:遠州織物を使用する「㈱HUIS(ハウス)」とタッグ。棚田の耕作放棄地を利用して綿花の生産を始めました。収穫した綿は遠州織物としてシャツやワンピース等を制作し全国のHUISが展開する店舗や百貨店等での販売を計画しています。(写真:綿の収穫の様子)
ふじのくに美しく品格のある邑、日本の棚田百選、静岡県棚田等十選に選定されている「久留女木の棚田」この美しい景観を守り続けるためにも、参加したくなる、応援したくなる地域を目指し、地域住民と外部関係者と連携をして活動されています。この地域には自治会が1つしかないこともあり、地元の人と話し合いがスムーズに進められ、外部から来た方を受け入れられる仕組みが素晴らしいと感じました。
また、昨年度は久留女木の棚田での稲作を12話の動画にしてYouTubeにアップロードしました。目的はお米作りの記録と、外部耕作者の教材(先生である農家さんがいなくても、作業が進められるようにするため)です。企画や撮影は竜宮小僧の会が中心となり行い、編集は静岡文化芸術大学の学生さんが行ってくれました。
その他にも、企業の方が草刈りを手伝ってくれたり、新たな会社と連携して事業プロジェクトを開始するなど、多種多様な構成メンバー(プレイヤー)が得意分野で活躍されて体制を支えてくれています。持続可能な地域活動をするため、活動に関わる人に費用が払える(有償ボランティア)の仕組みを今後つくっていきたいと考えています。
美しい棚田の保全とともに人と人との関りや繋がりを大切にしている「久留女木 竜宮小僧の会」の皆さん。今後の活動にも注目していきたいと思います。
久留女木 竜宮小僧の会
オフィシャルサイト↓
久留女木竜宮小僧の会|久留女木の棚田オフィシャルサイト|静岡県浜松市引佐町 (kurumeki.com)