【藤枝市】高根白山神社にて疫神祭が行われました

藤枝市最高峰の山、高根山(871m)の中腹(730m)に建つ高根白山神社。ここは1188年に愚白上人が加賀国白山を勧請して開いた神社です。

 

本殿は江戸時代前期の建築とされ、市の有形文化財に指定。本殿の裏山にある県内有数の高さを誇る大スギ(県指定天然記念物)はご神木として大切に護られています。
神社の両側には水枯れしない泉があり、この神水が志太平野を潤したと伝えられ、五穀豊穣、豊漁、縁結びの神として信仰されてきました。
また、焼津の漁師からも大漁満足の祈願が寄せられ、漁業の守護神としても崇敬されてきました。30年ほど前までは焼津漁港の方が5月に観光バスを貸し切って、カツオを持って参拝に来ていたといいます。
しかし、5月といえば藤枝はお茶のシーズン。対応が難しくなり、行き来がなくなってしまったんだとか。

 高根白山神社では、年に5回の式典やお祭りがあります。
新年の11日に行う新年拝賀式、329日に祈年祭、7月に疫神祭、1029日には収穫に感謝して古代神楽が奉納される例大祭、1129日に新嘗祭を行っています。

 

 今回伺ったのは、719日に行われた疫神祭。
この疫神祭を行うにあたり、当日の朝、役員の2名が高根山山頂にある奥宮に歩いて登りお供えをしたそう。奥宮は本殿から歩いて片道30分ほどだと言います。
茅の輪は前日に15名の氏子の役員で手分けをして製作し、輪の上部には人の形をした形代かたしろ)もくくられていました。
蔵田、市之瀬、本郷、中里、中山、滝沢など、各地区の総代(※地域の代表)が参列し、疫病の鎮静と罹患した方々の早期回復を祈念しました。

 

 

 

終了後、氏子総代の遠藤明良さんと、宮司の多田計さんに神社のことと地域についてお話を伺いました。
まず、本日行われた疫神祭で設置された茅の輪を作る技術は代々受け継いでおり、現在若い世代にも伝えることができていると言います。
ただし、時代が変化している今、これまでやっていたことを同じようにやろうとするのは無理があるので、続けていくためには変えていくことも大事だとおっしゃっていました。

例えば、これまでは11日の拝賀式は、昔は夜中の0時から行っていました。総代は前日に集合して準備をしていたわけですが、泊まりで作業をするのは難しいという声が大きくなり、最近では拝賀式を朝の7時からに変えたと言います。

     

また山間部エリアはどこも人手不足や人口現象が問題になっています。
瀬戸谷地区も地域を出ていく人もいますが、近年では移住促進で3軒ほどの空き家に入居者がありました。

ハイキング、キャンプ場、射撃場、陶芸、ブルーベリーやりんご狩りなどのアクティビティが豊富な瀬戸谷地区は、土日祝日になると地域外からのクルマの流れが多いと遠藤さんがおっしゃっていました。

地域の魅力を知り、興味を持ってもらえることも嬉しく、近年では地域外に住む人からお神楽に参加をしたいと申し出があり、参加をしてもらっているといいます。

 

高根白山神社も山の中にあるだけあって、鳥の鳴き声が心地よく響き、夏でも風が吹くと真夏でもとても涼しい場所。周辺のアクティビティスポットに出かけた際は、少し足を伸ばしてみてはいかがですか。

神社の麓にある蔵田観光駐車場から神社までの道のりには富士山が見られるスポットもあります。

 

なお、例大祭では、神社の参道入り口(聖人堂のある辺り)からマイクロバスが出ますので、クルマの運転が心配な方でもお気軽にいらしてみてください。

 

 

高根白山神社/静岡県藤枝市瀬戸ノ谷9964