【榛原郡吉田町】歴史ある吉田たんぼの現状とこれから
美しく品格のある邑に登録されている榛原郡吉田町の「吉田たんぼ」は東名高速道路「吉田IC」から南下した、国道150号沿いにある広大な田園地帯。ほとんどの農家で春から夏にかけて稲作、冬はレタスの二毛作が行われています。
レタス栽培は1955(昭和30)年頃から始まり、米作りは奈良・平安時代に条里制が行われていることから1000年に及ぶ歴史があります。
吉田たんぼの広さは約100ha。そのうち、約20haを10人ほどで組織される吉田たんぼ営農組合が地主から代掻きや田植え、稲刈りなどの作業を受けています。
レタスは温めてもシャキシャキしておいしいと人気が高く、米は主にさっぱりとした口当たりが特徴のキヌヒカリを栽培しています。
年間のレタスの収穫量は約1,000トン、米は約600トン。レタスや米以外にもズッキーニやトウモロコシなど三毛作を行っている農家もあり、一時期はズッキーニも産地化する動きはありましたが、毎日人工受粉するには人手が足りず、現在のところ産地化には至っていません。
眞崎さんのレタス栽培風景。お邪魔した8月下旬はちょうど芽が出始めたところでした。8月に種を蒔き、9月に畑に移動し、10月に収穫するとのこと。このサイクルで2月末まで収穫します
今回は吉田たんぼ営農組合長の吉永貢さん、ハイナン農業協同組合吉田営農経済センター長の亀山茂実さん、吉田町でどんぐり農園を営む眞崎英彦さん、そして吉田町産業課の岩下聡さんと福田将皓さんが、吉田町の特産品であるレタスの価格が低迷している今、自分たちが新しい一手を打つことができないかという話し合いをするということで、同席させてもらいました。
町内ではレタスを使った「レタス丼」や、地域の名産であるうなぎ・しらす・レタスの3つの食材を1品以上使用したのり巻き「吉田まき」などのメニューがイベントなどで販売されていました。「レタス餃子」はハイナン農業協同組合直営のファーマーズマーケット「ほうせん館」(牧之原市細江)で期間限定の販売をしていました。
吉田町役場から見た吉田たんぼ。8月下旬は黄金色に色づいた稲が見られたが、10月を過ぎると今度はレタスが植えられ、青々とした景色が楽しめる。
そこで、この席ではレタスを使った新しいメニューや、酒米を栽培してお酒造りはどうかなど、町を盛り上げるアイディアや、町内の飲食店を巻きこんでやっていけないかという案も出ていました。
たんぼ越しの小山城。例年は秋に小山城前広場で「小山城まつり」が開催されている
この打ち合わせ後すぐに商品化されるわけではないですが、吉田町の新たな試みといえる第一歩が踏み出されました。今後動きがあるようでしたら、またこちらでご報告します。